ヒートシンク 2022(#1)
Global memory brand, TEAMGROUP, has created numerous innovative SSD products over the years with its cutting-edge research and development to offer the very best solutions in the storage market. Today it has announced MP44L M.2 PCIe 4.0 SSD, featuring a unique breakthrough cooling technology: the industry's first SSD label to incorporate graphene copper foil. This less than 1mm thick Heat Dissipating Graphene SSD Label has received Utility Patents and is tightly adhered to the SSD to provide precise and greater cooling. The design of MP44L M.2 PCIe 4.0 SSD's heat-dissipating graphene SSD label eliminates the possibility of installation interference. Moreover, it allows users to enjoy double the cooling performance and the increased stability of PCIe Gen4 without the need to install additional thermal equipment when it's paired with an M.2 slot heatsink.
16.Aug.2022 https://www.teamgroupinc.com/en/news-detail/mp44l-m2-ssd/
全体的にはなんだかよくわからないままなのだが、途中に書かれている「銅箔とグラフェンシートでできた放熱シールを M.2 PCIe 4.0 SSD に貼りつけて冷却能力を改善し安定性を増す」という部分を少しつまんでの、以下雑談である。その「グラフェンシート」、これまでの銅箔やアルミ箔に代わるべき効果のほどはさておき、趣味の自己発電ユーザたちの心をチョコっとくすぐる結構魅力的なアイテムであるらしい(*1)(悪い意味で言っているのではないし本人たちも承知している)。このようなアプローチも、決して大きな規模ではないにしても、日本でも世界でも長い間大切な産業を支える裾野の一部であるということを、私は認めようと思う。
(別の角度から *1)
【車:PC】という対比でこれらを見るのも面白い。【マッチョ:ギーク】という違い(変遷かも)はあるものの、同じような立ち位置のチューニングがある。
<初心者のタイムアタックに>
PC:グラボ/RAM
車:タイヤ/吸排気
<とにかく冷やすと吉>
PC:強制水冷
車:オイル/インタークーラー
<効果あんの?>
PC:通信ケーブル、高性能電源
車:エアロパーツ、オイル添加剤
<どうなっても知らん>
PC:CPUのクロックと電圧(*2)
車:タービン/加給プログラム
(別の角度から *2)
例えばCPUのクロックと電圧は、昔からマニア向けに一部開放されてきた調整要素だ。このニュースにあるM.2 SSDのNVMe接続(SATA接続よりはるかに速く大きな電力を消費する)も、発熱/寿命の選択をユーザに丸投げするという最近流行りのモデルをもって売られている。これらは(特に日本では)、開発や製造の責任を負う者たちにとっては目の前の霧を一気に吹き飛ばし生産性を倍増させてくれそうな甘い誘惑であるだろうし、一方その仕様調整に全力を注ぐ(生活がかかる)非生産業務から見れば、できれば来てほしくない黒船のようなものかもしれない。
(別の角度から *3)
ニュースは、熱を横に広げその面積で放熱しようという手法について、すなわち「まわりの部品からすると少々迷惑だけれどまあいいや」くらいの東京駅丸の内域の容積率譲渡と似た話である。ただここではそうではなく、我々の仕事に直結する関連の課題を確認しておこう。同じ接着テープだが、ヒートシンクとの間に無くてはならない接着剤(両面テープ)についてだ。下には計算途中または確認のための数値をリストした。結論はこうである。例えば2〜3cm角程度のICパッケージに載せるヒートシンク30cm2の大気への放出熱抵抗に対し、両面テープの熱抵抗はその何%にもならない(たとえその辺りに転がっている汎用のぶ厚いアクリル1mmであっても1割程度)だろう。ここにいくら熱伝導率の高い接着剤を使っても、全体の熱抵抗が劇的に改善されることはない。本気で冷やしたいのなら、まずは大型ヒートシンクに強制空冷を、周辺はそれに応じて相対的に再調整、が正しい順序である。
<熱伝導率(W/mK)>
空気:0.02
アクリル:0.19
シリコーンゴム(熱接続用セラミック配合):1〜
高分子材料範囲:0.1~0.8
アルミニウム:100~200
<↓両面テープの熱抵抗(K/mW)>
アクリル30cm2/0.1cmt:1.8
<大気への放出熱抵抗(K/mW)>
アルミ(アルマイト表面)30cm2:10~20
(研磨鏡面 > アルマイト)
(白アルマイト ≧ 黒アルマイト)
ヒートシンク表面積30cm2測定例:20
iPhoneとは 2007(#19)
(
前掲記事より続く)
マルチポイントタッチスクリーンや加速度センサを用い、それにアニメーションをアレンジしたUIによって、iphoneは我々の想像をはるか斜めに超えたデバイスに仕上がっていた。一方、それらに隠れているが、iPhoneには我々の行く手を真っ暗闇に変えてしまった仕様がある。それは日本人がこれまで「低レベル」「お話にならない」などと鼻で笑ってきたものである。
・160dpi(480 by 320)
・GSM
・CMOS-2MPixel
・135g
実際にどういう手法でこれらの仕様が固められていったのか、想像することは簡単ではない。だがその開発ではおそらく、人との接点に何のストレスも感じさせないというただひとつの命題が、戒律か憲法のようにハードウエアの設計を隅々までコントロールしていたに違いない。画面やカメラの解像度は多少低いほうが透過率は高いし処理が早く終わって良いのである。少し重い方が操作しやすいしガラスも大きな電池も使えるのである。例えば処理時間vs解像度といった設計上重要な対立軸には、測るべき対象が明確であればあるほど、高いQ値の共振点が必ず見出されるものだ。
「そりゃ少しでも数値の良いほうが売れる」とかふんぞりかえって何も考えないままベンダーに言ってしまう、受け持った要素で300dpi/3G/CCD−5MPixel/80gとただただ「数値」をたたき出す、その貧困の物語はもう美しくないということだ。
iPhoneの表面 2007(#18)
米Apple社は、iPhoneの表面はガラスでありそれはProtective Sheildだとしている。同社Webサイトでは表面から順に分解した構造図をもって以下のとおり説明を加えている。
・Protective Shield
・Capacitive Touch Panel
・TFT LCD Display
(The multi touch iPhone display senses your touch using electrical-fields.)
静電容量方式のマルチポイントタッチスクリーンを構成するこのガラスは、iPhoneの体温がユーザの触感を満たす、そのためのキーマテリアルだ。同社はこの材質を、連続通話/待機時間と並んでまさしく「前面に」打ち出している。
CUPERTINO, California --June 18, 2007-- Apple(R) today announced that iPhone(TM) will deliver significantly longer battery life when it ships on June 29 than was originally estimated when iPhone was unveiled in January. iPhone will feature up to 8 hours of talk time, 6 hours of Internet use, 7 hours of video playback or 24 hours of audio playback In addition, iPhone will feature up to 250 hours --more than 10 days-- of standby time. Apple also announced that the entire top surface of iPhone, including its stunning 3.5-inch display, has been upgraded from plastic to optical-quality glass to achieve a superior level of scratch resistance and optical clarity.
Copyright c 2007 Apple Inc.
米CadenceのSIP 2007(#17)
米Cadence社は、現有のアナログ/RF/ミックスドカスタム設計プラットフォームVirtuosoおよびデジタルIC設計プラットフォームEncounterのそれぞれ最新リリースに、SIPテクノロジを統合した。
The new SiP digital flow includes logical co-design connectivity and authoring support, as part of the System Connectivity Manager. This isolates the front-end designer from physical-only changes, such as pin swap association. Enhanced digital SiP integration with Cadence SoC Encounter RTL-to-GDSII system provides improved input/output planning, with staggered bondpad and radial wirebond bondpad spacing support that is commonly used for wirebond IC's. Other enhancements to this release, for both the RF and digital flows, include autobond for rapid wirebond padring evaluation, object-action and action-object use models, improved SI model-extraction accuracy for designs without reference planes, 3D die stack object swapping, extended manufacturing signoff rules, and capabilities for manufacturing accurate wirebond profiles and parasitic models.
(Cadence Press release, SAN JOSE, Calif. , July 11, 2007)
現在のCadence主力製品には、検証プラットフォームIncisiveon、デジタル設計プラットフォームEncounter、アナログ/RF/ミックスドカスタム設計プラットフォームVirtuosoなどがある。
米Xilinx:FPGA開発環境ISE-9.1iの出荷を開始 2006(#19)
コンパイル(合成と配置配線)時間を、2つの改良によって最大1/6に削減した。1つは配置配線アルゴリズムの改良。2つ目は差分(インクリメンタル)コンパイル機能を採用したこと。変更を加えていない論理については合成と配置配線を維持する。同社ウェブサイトによると、WebPAckにも同じISE 9.1iを採用して既に公開している。