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DS11年3月期    2011(#5)


2010年3月期第4四半期にプラスに転じて以来、2011年3月期第2四半期まで、大日本スクリーンは、四半期毎の全社営業損益を30億、50億、60億と伸ばしてきた。しかし三大セグメントのうち、FPDセグメントについての雲行きがどうもあやしい。こちらは2011年3月期第2四半期累計で売上が前年同期比80%以上増加したにもかかわらず、営業利益率が3%にとどまっているのだ。そして、2010年10月、「PV推進部」なる組織がFPDセグメントに設置されている。これによって現行技術の量産展開に対応するのか、現状優位に立つ薄膜技術をもっと磨くのか、あるいはなにかさらにダイナミックな事業展開を暗示しているのかがわからない。液晶の失政を踏まえ太陽電池をどう捉えてゆくのかを慮る株主たちは、決算報告を気軽には読み飛ばせないのである。

ちなみに、半導体セグメントの同期営業利益率は20%に近い。また、印刷機器セグメントが価格下落と円高により相変わらずの海抜0メートルにあることはどの向きにも了解済みのようだ。


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SRP/MITEI    2008(#6)


MIT(米)、慈善基金から1000万ドルの資金提供を受け、SRP(Solar Revolution Project)に1000万ドル。
このようなニュースが日本でも報じられた。
MIT, Chesonis Foundation announce solar revolution
Goal: Bring the sun's power to the people
April 22, 2008
(MIT News)
(https://news.mit.edu/2008/chesonis-0422)

MITには元々MITEI(Energy Initiative)という年間1億ドルの資金を集めるプログラムが存在する。この機関は自らの持つ情報、人材や活動に値札をつけ、会員に限定してこれを分配する。参加していない事に多少の危機感を持つ企業を取り込み、やがて大きくなった規模はそのことだけで、方法や発言を新しいスタンダードとして、新しい価値すなわち産業を生みだしている。特に米国には法と資本の元でオートマチックに呼吸するこのような”産業”がいくつも存在する。その当然の活動に後ろめたさはない。しかし日本では、メンバーに共通の問題に対し共通の理念をもって設立され、これに反するようになれば自ずと消滅することを念頭に運営される機関でなければならない。フォーラム、イニシアティブ、カンファレンス、行政法人、コミッティなど、看板は色々あるが、たとえ法で規制されなくても、排他的な仲良しグループが単独で力を持つことを良しとしない文化が、うまい具合にそれを抑えている。


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合弁/移管    2008(#4)


08年2月2/3週の国内電機電子部品産業は、事業の合弁、部品工場の分社合弁、工場の海外移管などを多く発表した。



・08年2月21日、住友電気工業、NECエレクトロニクス、ユーディナデバイス、三菱電機、沖電気工業、日本オプネクストは光デバイスのXLMD−MSA(マルチソース・アグリメント)による共通仕様を公開することを発表。

・XLMD−MSAは40Gbps光トランシーバ・モジュール用デバイスの互換規格を構築する。今回公開される仕様は、ピッグテール型光デバイスの外形寸法とピン、差動SMPMインタフェース仕様、光/電気特性。

・08年2月21日、クイックサン、ドリームボート、Intel日本法人インテル株式会社、フェイスは、端末に依存しないでコンテンツを利用できる配信ソリューションを開発することで合意した。

・クイックサンはデジタルテレビシステムROBRO(テレビ放送とインターネットの合成)、ドリームボートはP2P技術を含むSkeedCast(高速配信やストリーミング技術)、インテルはPCプラットフォーム、フェイスは視聴権利技術NFRM(視聴権利情報管理/課金技術)をそれぞれ受け持つ。

・08年2月13日、ルネサス、シャープ、Powerchip Semiconductor(台)は中小型LCD用途ドライバ事業に関する合弁会社Renesas SP Drivers Inc.を設立することで基本合意に達した。新会社はルネサスとシャープの同事業を統合したファブレスメーカであり、生産をPSCへ委託する。日立時代から長くLCD用ドライバの設計製造外販をリードしてきたルネサス、一方シャープは同じ事業を社内調達先として持つ顧客産業(携帯、LCD)である。この分野ではここのところ開発要素が停滞し、それによってコスト面で台湾ドライバメーカ(あるいはLCDメーカ)に圧倒されるという構図が固まってしまっていた。


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小型LCD中間期決算    2007(#26)


東芝の液晶事業上期売上高は1378億円(前年度同期比9%減)、営業損失は77億円。携帯機器向け製品の不調による減収減益。電子デバイス部門内ではシステムLSIが、全社では社会インフラ部門がこれを補っている。
エプソンのデバイス事業は次期中間期(08年3月)予想74億円から94億円へと更に営業損失を修正。これは主にディスプレイ事業での売上高減による。

対して中大型モニタを見てみると、例えば台湾AU Optronicsの07年第3四半期売上高は42億米ドル、純利益は7億米ドル、史上最高となっている。パネル出荷台数が大型で2226万台(第2四半期比15%増)、中型で4070万台(26%増)。


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エルピーダの四半期と戦略    2007(#24)


エルピーダメモリは07年度第2四半期業績を発表した。
売上高は1115億5500万円(前年度同期比0.4%増)
営業利益は61億4000万円(前年度同期比11.0%減)
高付加価値のモバイル、デジタル家電用DRAM(プレミアDRAM)の比率が54%に拡大。ビット総量は前年度同期比113%増。これは台湾Powerchip Semiconductor(PSC)との合弁であるRexchip Electronicsの立ち上がり(07年第4四半期月産3万枚を計画)と、さらにエルピーダ本体300mmライン(年末月産10万枚へ増強予定)の生産増によるもの。いずれも70nmプロセス。07年の設備投資額は1600億円に引き上げられた。

台湾ファウンドリUnited Microelectronics(UMC)とエルピーダメモリは、Cu配線とLow−k膜を使ったDRAMの共同開発プログラムを合意。UMCのCu配線とLow−k膜、エルピーダ側の特定用途DRAMという構図が考えられる。両社は同時に、PRAMの共同開発についても合意した。


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四半期売上3000億円2社    2007(#23)


STMicroelectronicsは07年度第3四半期(07年7~9月)業績を発表した。
売上高は25億6500万米ドル(前年度同期比2.1%増)
純利益は全社が1億8700万米ドルで、前年同期比9.72億700万米ドル(前年同期比9.7%減)
<セグメント別売上高>
・自動車15%
・コンシューマ17%
・コンピュータ16%
・通信37%
・産業&その他15%
・フラッシュメモリグループ(約10%)
このうち「フラッシュメモリグループ」と「その他]のセグメントが営業損益を計上した。

台湾ファウンドリTaiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)07年度第3四半期(07年7~9月)業績を発表した。
売上高は889億9500万台湾ドル(前年度同期比7.9%増)
純利益は306億1800万台湾ドルで(前年度同期比5.8%減)
<セグメント別>
コンピュータ32%
通信42%
コンシューマ17%
産業&その他5%
メモリ4%

いずれも今は4割前後である通信向けを機軸とするが、アンダー70nmプロセスに向け、コストのねじれや製品展開を適宜手当てするための柔軟性を重視する構成でもある。


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NEDO助成金    2007(#21)


「次世代大型低消費電力液晶ディスプレイ基盤技術開発プロジェクト事業」として、平成19年9月13日、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が助成金の交付先を発表した。消費電力を半減するというプロジェクトであるが、他のディスプレイに比べ格段に大きいと言われる製造時のエネルギー消費を無視し、行政はこの産業を手放しで後押しするというかたちになった。舵を当てるべき方向を見失った行政とそれを修正するつもりが全くない産業界のどちらにも問題があり、民間に見えにくくなっているという点では「ハコモノ」よりもむしろ性質が悪い。

一方、同じくNEDOは次世代モバイル用表示材料技術研究組合(TRADIM)へも助成金を供出しているが、こちらの金額は12億円と驚くほど小さい(事業費自体も30億円程度)。「モバイル用..」という名称ではあるが、これは低温ロール形成によって製造に関わる消費エネルギーをひと桁下げるという合理性を副次的ではあるが含んでいた。液晶テレビ産業に関して人の意図がある方向を指していたのに残念である。前出のようなものをかき集め、例えば100~200億円規模の事業体にできなかったか、この独立行政法人は一体何をすべきだったのか、もしかしたら何もしないことこそがこの組織の本来の姿だったのかを今一度考え直してみたい。


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07Q2有機EL    2007(#20)


米DisplaySearch社は、2007年第2四半期の有機ELパネル市場調査結果を発表した。
出荷枚数:1980万枚(前年同期比24%増)
売上高:1億2340万USD(前年同期比13%増)
メーカー別では、韓国SamsungSDI(27.4%)、パイオニア(20.0%)、台湾RiTdisplay(18.6%)、韓国LGElectronics(18.4%)、TDK(4.5%)。用途別では、ケイタイ向けサブディスプレイ(70%)とMP3プレイヤ(18%)とで殆どを占める。

アクティブマトリクス型有機ELディスプレイは、SamsungSDIや米Kodakなどが計150万枚弱(有機EL全体の7%)、ケイタイ向けメインディスプレイ用などに出荷している。各メーカともこれを足がかりに小型液晶テレビ(モニタ)周辺に新しい市場を形成したい考え(SONYが11型年内発売を発表)だが、いまだ手探りの状態だ。
有機ELは、単純マトリクス型ディスプレイとしては、情報表示向けLCD、VFDやLEDを一部置き換えはじめた。一方アクティブマトリクス型では、有機TFTと合わせた低温大画面フレキシブル形成がその存在意義と言える。小型液晶テレビでTFTLCDと見分けがつかないという中途半端な今の状態は、それでもなにかを信じてもう少しがんばる、そんな姿だ。


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07年5月    2007(#13)


昨年、これといった理由もなく決定された1年間の猶予が、あと一週間になった。
「敵対的買収で日本企業が次々に買収される」などと興奮した人々やマスコミにとっては、その熱の冷めたところでもう一度全体を考えてみる良い機会だ。この改正が、手続きの変更などを除いては実質的になにを変えるものでもないということ、企業の継続責任や公器としての存在意義を正すための評価を受け入れる、そんな姿勢であるということを、この一年で我々は少し学習した。外資による買収を抑圧すべきだという意見はおおかた消え失せた。そしてまた日本は人的資産こそが企業の実体であると確信しつつある。

さて、わずか十数年前トップ5を日本企業が独占して一時は意味を失った時価総額だが、では今は、M&A以外に何かの指針として機能しているのだろうか。米GE、米マイクロソフト、米エクソンモービルなどの時価総額は3000~4000臆ドル。国内ではトヨタが抜けて2000億ドル、あとは三菱UFJ、みずほFG(ここまで世界50位以内)、三井住友FG、NTT、7&i、キヤノン、松下、ソニー、ホンダ、日産、武田、...と続く。多くの国内大企業は数百億ドル。海外携帯電話機メーカは三星、ノキア、モトローラが500~600億ドルで肩を並べる。ちなみに新日鉄、JFE、旧アルセロールは揃って3~400億ドル。サッポロビールは30億ドル。


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全体は前年同期比で25%安    2007(#11)


国内各メーカは今年これを15%に留めるべく、戦術の見直しを迫られている。

日本国内にマニュファクチャラや関連産業が多い低温多結晶SiTFTLCDは、その価格低下率がアモルファスを上回って止まらない(下記)。このテクノロジの事業化を決断するうえで大きな後押しとなった有機ELディスプレイ事業からも、撤退するメーカがここのところ相次いでいた(NEC、パイオニア、三洋、ヒロセ、...)。
元々、多結晶/アモルファスという名前によるLCD工場の区別には正しくないところが大いにあり、生い立ちを含めたプロセスの違いやゲート酸化膜を中心とした積層構造こそがその実体といえる。どちらか一方にしか使えない技術はむしろ少ない。今、日立ディスプレイズなど中小型LCD工場で起こっているのはこうしたプロセスの再構成だが、これもまだ序章に過ぎない。いかに早く低温多結晶/アモルファスという冠を外し、融合し、「動ける」プロセスを構築するか。乗り遅れたメーカは既存のカスタマを離すまいと、そうやって価格低下の大波に翻弄され海の底に消えてゆくのである。



(以下、Displaysearch社発表)
<用途別>
携帯電話機向け:前年同期比17%減
PDA向け:前年同期比20%減
車載機器向け:前年同期比6%減
DSC向け:前年同期比24%減

<テクノロジ別>
アモルファスSiTFTLCD:前年同期比20%減
低温多結晶SiTFTLCD:前年同期比21%減
カラーSTNLCD:前年同期比28%減


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エルピーダ:IMECと共同研究プログラム契約を締結    2007(#10)


エルピーダメモリは、50nm以降に向けてベルギーInteruniversity Microelectronics Center(IMEC)との共同研究プログラム契約を締結した。2007年4月1日から稼動。

IMECは84年ベルギーフランダースの公的資金によって設立された産学連携の研究機関である。日本では「産学連携」という言葉の持つ響きはあくまで鈍く、それでも次々と設立されるまるで意思を持たない箱のような機関を、ほとんどの日本人は「公共工事」として割り切ってながめている。しかしIMECは違う。いまや世界中の半導体ファウンドリやIDMで、このヨーロッパの隅の小さな村を無視できる企業は無い。年間予算は360億円(7割を民間企業から得る)を越え、1500人の研究者が活動するまさに「次々世代半導体プロセスの拠点」になった。

半導体プロセスで「次世代」というのは、既に多くは立証された技術を経済活動の波に乗せる(工場と市場を形成する長い長い作業の)段階にあるものをいう。一方IMECが対象とするのは必ず次々世代である。大学には充分な資金が無く、政府には充分な知恵が無く、一方企業では次年度の利益が求められ、誰もがそこそこにしか手を出せなかったところだ。IMECはその分野で、「自画自賛の顛末報告」ではなく、常にただ結果を出すことができたのである。

標記に係わるCMOS研究プラットフォームはIMECがいくつか持つそれのうちのひとつであり、これで5大RAMメーカのうちの4社が参加することになった。IMECは、エルピーダの持つメモリ微細化のノウハウを世界的なCMOS研究プラットフォームの資産とする。エルピーダは、50nm以降のプロセスで研究開発費の負担とリスクを減らすため、ここでまた「オープン」なパートナーを選択した。


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三菱総研:専用の特許分析ツールによってSIPの動向を調査    2007(#7)


LSIは、その機能を集積し小型化することによって生き延びてきた。それが市場の法外なコスト要求に応える唯一の方法だったからである。経営は多額の開発費と多くの時間をこれに投下し、技術者は周辺に存在する回路をひたすら取り込んできた。「ひとつのダイに集積」することが産業だった時代だ。

しかし、エスカレータに乗って何も考えずにスッと昇ることができたのは残念ながらその中二階までだった。アナログ、デジタル、RF、電源..、と、電圧、電流、周波数やノイズに対して異なる要求を持つ複数の機能に対し、微細化の恩恵は同じように作用することはない(多くの場合逆に作用する)。そしてこの問題は、微細化が進めば進むほど相対的に大きく顕わになってくるのである。加えて、微細化による開発費の増大と開発期間に対する機種あたり売上の不足といった環境変化も、最近では大きな原因だ。機能の「標準化」によって機種を絞り数を増やそうという試みも当然なされてはいるが、競合による規格の濫発と消費者の気まぐれという二つの敵の挟み撃ちに合い、これも結果を出すことはなかなか難しい。

この技術的な問題を切り貼りによって回避し、法外な開発費や開発期間など受け入れないという考え方は、(古くて新しい/広義の)ハイブリッドIC、新しくはSIP(Silicon In Package)などに見られる。こういったことは他のどのような産業にも踊場で現れることがあるが、その技術のなにか本質のようなものを問うてもいる。マイクロ波ではMMICからMICへ、LCDでは回路一体型ポリシリコンTFTからLCD上シリコンチップCOGやTABへ、といった揺り戻しがそうだろう。

SIPは、高密度メモリやフラッシュまたはセンサなど、プロセスの異なる機能チップや受動部品を3次元にパッケージングし、これによって短期間で安く柔軟に小型化を実現する。表面にMEMS、光ICやセンサを配置して専用回路を下部に一体化、これまでの「専用周辺回路」という考え方をなくしたインターフェイスデバイスにもなる。外部配線が少なくなれば、LCDなど、「そこにある板」の場所を借りてシステムを搭載するということも考えられる。また、このところ注目を浴びているものとして、IC内微小区域の電源電圧を制御するために小さなDCDCコンバータを複数パッケージングするという技術がある。いずれもコストがポイントではあるが、実は日本の産業の「考え直さなければならない部分」を的確に突いているのだ。

バーティカルスタック、チップオンワイヤ、チップオンパーツ、これらは構造そのままの呼び名だが、開発要素には以下のようなものがある。
0.1mmtの受動部品: ダイシング前の背面研磨
層間材: 樹脂やフィルム材料の流動性と耐熱性、熱膨張率の抑制
放熱: ボールやベースの熱抵抗
ワイアリング: 細線化、ポジショニング


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エプソン06Q3決算    2007(#2)


情報関連機器部門は、05年度の大幅減益を受け、06年度は低価格帯プリンタの出荷数量を抑えた。結果、前年同期比で数量を2700億に減らし利益を324億に伸ばした。
電子デバイス部門の売上高は1131億1600万円(HTPSを含むディスプレイはこのうち682億)に減,損失は57億2000万円。不振はディスプレイの低迷による。殆どの製品分野で価格下落と受注減。


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エルピーダメモリ06Q3    2007(#1)


エルピーダメモリは、PSC(Powerchip Semiconductor Corp.)と2007年4月より台湾サイエンスパークにてDRAM生産合弁会社レックスチップ(Rexchip Electronics Corporation)の業務を開始する。出資は50:50で2007年両社合計1,400~1,750億円。生産能力は300mmウェハ3万枚/月を予定している。従業員数は1,200人。
エルピーダメモリ本体は、広島工場が同じく300mmウエハの70~90nmプロセスで月産5万枚から10万枚への増産を予定している。この数年PSCなどからの外部調達比率を35%程度にまで高めていたが、レックスチップによってこの部分の供給を安定させる狙い。
日立、NECを主体とするエルピーダメモリは06Q1の世界シェアが10%で5位。本体が韓国/台湾勢の後塵を拝してから、巨大市場であるPC向けを切り捨ててデジタル家電向けに絞り、更に上述のとおり外部調達をバランス良く組み入れてきたことが功を奏している。手法は米国型に見えるかもしれないが、その調達方法はツールに過ぎない。部品(DRAM)市場であっても対象を積極的に限定し、そこで自社製品のアイデンティティを築くことがメインテーマである。逆に(業種にかかわらず)韓国/台湾/中国勢に押されがちなメーカは、彼らの攻勢を圧力としてだけ受けてしまい、目の前にあるものが自らのコアなのかツールなのかを見極められなくなっている。






(*)
このエルピーダメモリも、売買と生産の修正が追いつかないほどの超円高を頭から浴びせられて消滅した(しかもなんと発行済株式の無償取得/消却である)。産業や技術について、「正当性」や「あるべき」という言葉や考え方を、このように吟味しないまま安直に使える時代では最早なくなったのだ。(+ 2013年)


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東芝:保有するSED株をキヤノンに全売却    2006(#14)


経営計画の修正がなされたようにも見えなくはないが、もしかしたら中期のスパンで予定されていたポートフォリオの一環なのかもしれない。いずれにしても東芝のSEDは資本を投下すべき事業としての選に漏れた。一方のキヤノンにおいても、この事業セグメントの完全子会社化は大きなうねりの中の一艘の小舟のようである。松下のビクター株売却とは異なり、こちらの出口は三洋電機の三洋エプソン株全売却と似たようなかたちをしている。他の大きな船に救助され吸収されて無くなってしまうか、あるいは崩壊散乱して個々どこかにうち上げられるのだろう。いずれにしてもこの国では、タイタニックがそのまま沈んでしまうような刺激的なエンディングは許されていないのである。


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松下:尼崎に世界最大のプラズマ工場、2800億投下、09年5月稼動    2006(#13)


2006年、プラズマテレビの特性の中で液晶に劣るとされていた部分のいくつかが改善された。主なものは白ピーク輝度と反射である。実際に家庭で使用する場合に比べ2~3倍の周囲照度で展示される販売店で、液晶テレビに比べなんとなくパッとしなかったあの「感じ」のことである。店頭性能の改善など必要なし、と切り捨てたままでいられなかったことは、残念ではあるが当然と言える。

この両者、すでに年間消費電力や重量などにもほとんど差は無い。例えばインパルス応答であるというプラズマの絶対的なアドバンテージについても、液晶テレビにおけるその部分の性能改善は著しい。今では両者を後押しているのは投資と消費なのである。一部マニアに提供する言語や数字を除けば、プラズマ/液晶の性能論争は過去のものとなった。

そして、最後に残る問題がLCAである。元々液晶テレビは消費者側で製品寿命の内に消費される電力と同程度のエネルギーが製造に投下されている(他のテレビに比べて桁違いに大きい)。さらに液晶テレビは、無駄な大型化/無用な高性能化を繰り返すことによってのみ価格を維持し、産業として我が国に留まる事ができるのである(*1)。このことはLCAを無視した代謝の肥大化であり、液晶テレビは環境に関するサクセスストーリーを理論的に描くことができないとされる所以である。今のところ、低消費電力であるなどと矛盾した環境PR戦略が功を奏して頑張ってはいるものの、この事のリベイルによって液晶テレビとその周辺産業が危機に瀕する時は近い。実は現在、この産業に身の丈以上の投資を集中してしまっているのは中小サブコンである。その時に死ぬのは液晶メーカーではなく殆どの技術を担う彼らだということだ。彼らは液晶テレビ事業の他国への移転を前提に、ターゲットとなる製品の転換を視野に入れた技術開発を始めなければならない。






(*1)
しかしこの一文のような批判は、ただ無益でヒステリックな市民運動と同じである。それは、この「無駄」という言葉の定義が自分の中で未熟であるからだ。何も理解しないままでは何事も成し得ない。(+ 2011年)


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オムロン:(旧)野洲セミコンダクターの半導体事業資産を譲受    2006(#11)


野洲セミコンダクターはセイコーエプソンの元連結子会社。譲受額は50億円前後とみられている。セイコーエプソンはIBMからの合計取得価格200億円に加え更に数百億円を投下していた。オムロンセミコンダクターズは、200mmウェーハCMOSラインによって、不揮発性メモリとロジックICの受託生産からスタートする。07年度30億円からスタート。その後の生産品目の拡大も視野に入れ、10年度には50億円以上を目指す。オムロンはMEMSなど特定の半導体関連事業を成長カテゴリとして、グループ内の半導体製品群を強化している。

〈オムロンセミコンダクターズ〉
事業内容: 半導体製品の開発、生産および販売
資本金: 15億円(オムロン100%出資)
設立: 06年12月4日
所在地: 滋賀県野洲市市三宅686番地1
従業員数: 130名(07年3月30日現在)
敷地面積: 約4万2000m2
延床面積: 約4万m2


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