SPBUILD
Functions / File Name
Integrated FPD Design Environment / SPBUILD.exe
Current Version
34.06a
FR57.18a (FR-Version)
Revised
OCT 06, 2006
NOV 11, 2007 (FR-Version)
概要
SPBUILDには4つのタスクがあり、それぞれが連携して動作します。この連携はひとつのプロジェクトとして扱われ、名称や設定値、各タスクで扱う値などは自動的にに保存されます。
4つのタスクは、自身が扱う定数をそれぞれ専用のダイアログボックスを介してユーザから受け取ります。他のタスクが計算した値をインポートする場合もあります。タスクの機能した結果はウインドウに表示されます。Open/Close/Save/Newなど通常の操作をウインドウに対して行うことは可能ですが、それらは自動的には保存されずSPBUILDの主な機能にも影響しません。
タスクの中には、他のプログラムと連携するものもあります。
タスク SCHEMATICS
このタスクは、FPDのTFT基板を対象に、画素のレイアウト設計を自動的に行います。このタスクには2つの役割があります。ひとつはFPDの浮遊容量や抵抗値などを計算し、他のタスクにその値を渡すことです。もうひとつは、開口率や欠陥ヒット率、歩留まりなどの観点から、対象とするFPDの大きさや容量が適当であるかどうかを見積もることです。
<入力>
- ダイアログボックスより: 各設計ルール、TFTのディメンジョン、膜厚、物性定数など
<出力>
- レイアウト(ウインドウへ)、容量/抵抗の計算値など(別タスクへ)
<主な機能>
- SetCreateボタンをクリックすることによって、現在の設定値で自動設計が行われ、結果はウインドウと他のタスクに対して出力されます。
- AddCrossボタンをクリックすることによって、自動設計の結果のうち、TFT部分の断面図がウインドウに、レイアウトに重ねて表示されます。
タスク CHARGE CHARACTERISTICS
このタスクは、TFT特性を設定し、バスライン、コモンの遅延とそれらによる画素の充電特性を計算します。
<入力>
- ダイアログボックスより: FET特性パラメータ、バスラインの長さと位置、駆動電圧など
- タスク Schematics より: バスラインの抵抗値、浮遊容量、TFTのディメンジョンなど
<出力>
- TFT特性、バスライン、コモンの遅延、画素の充電特性(全てウインドウへ)
<主な機能>
- Updateボタンをクリックすることによって、現在の設定値で、TFT特性とバスラインの遅延がそれぞれ計算/表示されます。
- 4つのグラフのうち上部2つはTFT特性(Ids-Vgs特性とIds-Vds特性)で、それぞれVdsとVgsをサブパラメータとして5本のトレースがあります。
- 下部はゲートバスラインとソースバスラインの遅延波形です。共にバスラインをドライブする定電流アンプの能力(出力波形)と、指定したバスライン上のポイントでの到達波形がトレースされます。
- UpVpixCharaボタンをクリックすることによって、「Update Chara. Traces」ボタンと同じくTFT特性とバスラインの遅延が計算/表示されると同時に、これらの結果を用いて画素電圧の過渡特性を計算し、重ねて表示します。続けてクリックすると表示位置が切り替わります。
- 画素電圧の過渡特性を計算する期間は、1水平期間、1垂直期間、10垂直期間の3種類から選べます。
タスク GRAYSCALES
このタスクは、ドライバ部のC-V(Code-Voltage)カーブと表示材料のV-T(Voltage-Transparency)カーブから、C-T(Code-Transparency)カーブを算出して表示します。また、使用しているモニタのガンマ特性を補正し、算出したC-TカーブがFPD上で実際にどのような画像を表示するかをエミュレートします。
<入力>
- ダイアログボックスより: C-V(Code-Voltage)カーブと表示材料のV-T(Voltage-Transparency)カーブ
- タスク Charge Characteristics より: 画素の充電特性
<出力>
- C-Tカーブ、表示材料の応答特性、C-Tカーブを反映した画像(全てウインドウへ)
<主な機能>
- SPBUILDで画像を正しくエミュレートするために、モニタとして使用しているディスプレイのガンマ特性をソフトウエア上で補正します。ウインドウ上で左から白、灰色、黒と並ぶ大きな四角形が測定ポイントです。
- CALCボタンをクリックすることによって、現在の設定値でC-Tカーブが算出され、C-Tカーブとそれを反映した画像が表示されます。
タスク TRANSMISSION LINE
このタスクは、伝送ライン構成からSPICEファイルを自動生成します。例えばFPC上のLVDSライン(入力コネクタからレシーバまで)が対象です。マルチドロップ構成、ポイントtoポイント構成に対応しています。
<入力>
- ダイアログボックスより: スタブを含め各部分の長さと幅、物性定数、分布分割数など
- タスク Schematics より: ACF-COG間の配線抵抗、浮遊容量など
<出力>
- 構成図(ウインドウへ)、SPICEファイル(ファイル出力)
<主な機能>
- UpdateMakeボタンをクリックすることによって、現在の設定値で構成図が描かれ、同時にSPICEファイルが生成されます。